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2022年1月24日月曜日

♣友の会通信 02♣ 「下里・青山板碑製作遺跡」関連講座「地質学からみた青石」のご案内

埼玉県の小川町では、かつて町内で板碑を製作した遺跡が平成26年10月に「下里・青山板碑製作遺跡」として国の史跡に指定されました。本遺跡は、中世(鎌倉~戦国時代)の武蔵国における板碑の中心的な生産地であったと考えられ、板碑の生産と流通だけでなく、板碑に象徴される中世の精神文化を知る上でも重要とされています。その普及啓発事業のひとつとしてこれまで何回か講座が行われてきましたが、いずれも考古学・歴史学の立場からのお話でした。

今回の講師は「下里・青山板碑製作遺跡調査指導委員会」の委員の一人で埼玉県立自然の博物館友の会の会員です。専門が地質学ですので、板碑に用いられている青石(緑泥石片岩など)の地質学的・岩石学的な基本知識を整理し、青石の研究史や最近の三波川帯の研究成果なども紹介します。また、青石は板碑だけでなく、石器・古墳石室・庭園・石垣・墓石などさまざまな道具や建造物に古くから用いられてきました。小川町と長瀞町の青石産地に焦点をあてながら、青石の石材としての利用についても紹介します。