秋晴れのもと、熊谷駅・森林公園駅に集合し、関越自動車道・圏央道・東北自動車道を乗り継ぎ一路宇都宮の大谷町へ。現地では、午前中に大谷資料館・大谷景観公園(昼食)、午後に平和観音・宇都宮市森林公園を巡りました。武蔵野交通さんのご厚意により60人乗りの大型バスが使えることになり、29人の参加でゆったりとバス旅を楽しむことができました。2人掛け座席を1人でゆったりと使うことができ、コロナ感染予防面でも良かったと思います。
大谷石の地下採掘場跡(大谷資料館)では、スケールの大きさに圧倒されながら、坑内気温12℃のひんやりとした別世界を楽しみました。壁面には規則正しくずらして電動鋸を切り込んだ跡があちこちに残っており、皆で議論しましたがその理由はわかりませんでした。
地上へ戻り、大谷石の特徴や産地、採掘の歴史などを紹介する展示を見学した後、姿川に沿って連続する大谷石の大きな露頭を見ながら、広々とした大谷景観公園で昼食。岩壁に何層も水平に連なる窪みから凝灰岩の構造がわかり、また見事なタフォニ(岩体内部から析出した塩類が、その結晶圧によって岩石表層部を破壊することによって形成)も見られました。
平和観音見学のあと宇都宮市森林公園内にある自然休養村管理センターを訪問しました。ボランティアの皆さんの写真展を鑑賞した後、赤川ダム周遊林道を散策しました。国の絶滅危惧種になっているキキョウは見られませんでしたが、地元新聞にも報道された満開のシュウカイドウ群生地に出合うことになりました。やや濃い目の紅色花が咲き乱れていました。よく見ないと花の形がわかりません。先端部にある雄花は花の形ですが雌花は子房が異様に膨らみ何としても花らしく見えません。シュウカイドウはそもそもベゴニアのような園芸品というイメージがありますが、日本各地に野生化しており外来植物の一種となります。
途中アオミズの群落もあり茎をかじったりもしました。静かな林道歩きは自然を満喫するのに十分でした。森林浴という言葉がありますが、木漏れ日の中をゆっくり歩くと、さわやかな気持ちになることができます。
秋はトンボの季節で、今では珍しくなったオニヤマンが資料館前で迎えてくれました。昼食中や森林公園でもアカトンボ類のアキアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボやシオカラトンボなどが目につきました。当日は天候にも恵まれ、チャバネセセリなど多くのチョウを観察することができました。