ページ

2022年12月18日日曜日

県民の日(11月14日)に友の会が出店・出展しました

 11月14日は埼玉県民の日。県立の博物館施設は入館料無料となりました。オミクロン株による新型コロナ感染の第8波が到来しつつあるなか、自然の博物館では大々的なイベントは自粛し、玄関前にテントを張って、カエデのポストカードづくりやクイズなどを実施しました。

友の会では、直前の12日・13日には有志が博物館に集まり、展示パネルを作成しました。14日は9人の会員が博物館に集まり、玄関横でテーブルの設営・販売・展示解説などを行いました。この1年間の観察会や交流会などのようすを紹介するパネル展示、会員が収集した化石の展示解説、恐竜グッズやスナック菓子、雑貨類などの販売です。販売では、恐竜グッズ(フィギュアやナップザック)が人気で、最近製作したパレオパラドキシアの骨格復原群像をデザインしたオリジナルのTシャツやトートバッグも販売しました。好天に恵まれ紅葉もみごとで、気持ちよい一日でした。 


































































2022年10月11日火曜日

 「ちちぶ エフエム」で「ちちぶ歴史ヒストリア」の放送開始!

 「ちちぶ エフエム」(79.0MHz)では、10月から12月の毎週水曜日15時~15時55分に、「ちちぶ歴史ヒストリア」をシリーズで放送します。秩父の歴史・伝統・文化などについて、秩父1市4町の教育委員会の文化財担当者などがお話しします。

第1回の10月5日には、学芸員の仕事や小鹿野町の歌舞伎などが紹介されました。第2回の10月12日(水)は長瀞町が担当で、「"地球の窓" 長瀞は、地質学の宝庫」のテーマで、教育委員会の文化財担当者と本間(友の会)が出演します。

「ちちぶ エフエム」の受信範囲は秩父地域ですが、公式アプリ(無料)で全国どこでも聴くことが可能です。次のURLをコピーするか「エフエム プラプラ」で検索してみてください。PCやスマホでも聴くことができます。

https://fmplapla.com/chichibufm

2022年10月4日火曜日

野外調査研究会では、野外見学会「中央構造線に沿った戦国山城の傑作 杉山城跡」の参加者を募集しています!

野外調査研究会では、11月13日(日) に野外見学会-2 「中央構造線に沿った戦国山城の傑作 杉山城跡」を実施します。歴史と地質の両面から楽しめるテーマで、非会員の方も歓迎しますとのことですので、お誘いあわせの上、ふるってご参加くださるようご案内いたします。

杉山城は、中世の築城理念を入念に再現し、急峻な尾根地形の高低差を巧みに利用したおよそ10の廓(くるわ)を配置した縄張りが見事で、「築城の教科書」「戦国期城郭の最高傑作のひとつ」 といわれています。高度な築城技術と良好な保存状態は当時の政治・軍事の状況を良く示しており、平成20年に菅谷館跡・松山城跡・小倉城跡とともに 「比企城館跡群」 として国指定史跡に指定されています。
市野川の左岸側に北西-南東方向に直線的に連なる急崖は、その地形から、断層線崖であると考えられています。市野川をはさんで右岸側には三波川帯(外帯)の結晶片岩類が分布しているのに対し、左岸側の杉山城跡周辺からは領家帯(内帯)の花崗岩類や片麻岩類が発見されています。このことから、この断層地形をつくった断層は、内帯と外帯を分ける 「中央構造線」 であると推定されています。



2022年9月30日金曜日

令和4年度総合観察会「大谷石の里と宇都宮市森林公園を訪ねて」        報告   9月11日(日)実施

 秋晴れのもと、熊谷駅・森林公園駅に集合し、関越自動車道・圏央道・東北自動車道を乗り継ぎ一路宇都宮の大谷町へ。現地では、午前中に大谷資料館・大谷景観公園(昼食)、午後に平和観音・宇都宮市森林公園を巡りました。武蔵野交通さんのご厚意により60人乗りの大型バスが使えることになり、29人の参加でゆったりとバス旅を楽しむことができました。2人掛け座席を1人でゆったりと使うことができ、コロナ感染予防面でも良かったと思います。

 大谷石の地下採掘場跡(大谷資料館)では、スケールの大きさに圧倒されながら、坑内気温12℃のひんやりとした別世界を楽しみました。壁面には規則正しくずらして電動鋸を切り込んだ跡があちこちに残っており、皆で議論しましたがその理由はわかりませんでした。

 地上へ戻り、大谷石の特徴や産地、採掘の歴史などを紹介する展示を見学した後、姿川に沿って連続する大谷石の大きな露頭を見ながら、広々とした大谷景観公園で昼食。岩壁に何層も水平に連なる窪みから凝灰岩の構造がわかり、また見事なタフォニ(岩体内部から析出した塩類が、その結晶圧によって岩石表層部を破壊することによって形成)も見られました。

 平和観音は、昭和初期まで大谷石の採掘場であった凝灰岩の壁面を利用して昭和23年から6年の歳月を費やして総手彫りで彫り込んだものです。身丈27m、胴回り20mもあります。足元から観音像を見上げながら、大戦戦没者の霊を弔い世界平和を祈念する大谷町の人々の願いとともに、大谷石の軟らかく加工しやすい性質が、この大彫刻の制作を可能にしたのだろうと思いをはせました。

平和観音見学のあと宇都宮市森林公園内にある自然休養村管理センターを訪問しました。ボランティアの皆さんの写真展を鑑賞した後、赤川ダム周遊林道を散策しました。国の絶滅危惧種になっているキキョウは見られませんでしたが、地元新聞にも報道された満開のシュウカイドウ群生地に出合うことになりました。やや濃い目の紅色花が咲き乱れていました。よく見ないと花の形がわかりません。先端部にある雄花は花の形ですが雌花は子房が異様に膨らみ何としても花らしく見えません。シュウカイドウはそもそもベゴニアのような園芸品というイメージがありますが、日本各地に野生化しており外来植物の一種となります。

途中アオミズの群落もあり茎をかじったりもしました。静かな林道歩きは自然を満喫するのに十分でした。森林浴という言葉がありますが、木漏れ日の中をゆっくり歩くと、さわやかな気持ちになることができます。  

秋はトンボの季節で、今では珍しくなったオニヤマンが資料館前で迎えてくれました。昼食中や森林公園でもアカトンボ類のアキアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボやシオカラトンボなどが目につきました。当日は天候にも恵まれ、チャバネセセリなど多くのチョウを観察することができました。


2022年8月23日火曜日

令和4年度宿泊観察会「花の乗鞍・木曽駒千畳敷カール探訪」報告

畳平・千畳敷カールは快晴 ‼                7月24日(日)・25日(月)実施

下見の時は大雨だったのに、観察会当日は実に気持ちの良いいい日でした。空はどこまでも青く、山の稜線がはっきりとわかりきもちのいい風が吹いていました。

畳平ではイワギキョウに始まりハクサンイチゲ、ヨツバシオガマクロユリ等々足元に小さな花々がいっぱいです。雷鳥に会うことは出来なかったけれどイワヒバリは近くで観察できました。

千畳敷カールは花園です。シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマキンバイ、ミヤマダイコンソウ、ウサギギク、キバナノコマノツメ(黄花)そこにコバイケイソウ、チシマギキョウ、クロユリが色を添えています。遠くに富士山を見ながらの昼食は気持ちいいの一語につきました。

(田島俊子・記)


2022年8月11日木曜日

総合観察会「大谷石の里と宇都宮市森林公園を訪ねて」の参加者を募集します!

9月11日(日)実施の総合観察会の詳細が決まりました。大谷石採掘跡の地下の大空間には圧倒されます。コロナ感染予防には十分気をつけて実施しますので、この機会にぜひご参加くださるようご案内いたします。

                          埼玉県立自然の博物館友の会会長 牧野彰吾




2022年8月9日火曜日

9月11日(日)に実施する総合観察会「大谷石の里と宇都宮市森林公園を訪ねて」(宇都宮市)の下見に行ってきました!

8月4日(木)、雨がぱらつくなか、役員7人が3台の自家用車に分乗し、大谷資料館・大谷景観公園・平和観音・宇都宮市森林公園の下見を行いました。

「大谷資料館」の大谷石地下採掘場跡は、壁面には生々しい堀跡が残り、ビルがいくつもすっぽり入るような大空間に圧倒されます。大正8年から昭和61年までの約70年間、採掘が続けられました。地下空間の気温は12℃と外気温より20℃近く低いので、上着を羽織らないと寒いくらいでした。軽くて加工しやすく耐火性があり、素朴な風合いがある大谷石は、古くから建築用石材として全国に出荷されてきました。大谷石は石材名ですが、岩石名としては約1500万年前の海底火山活動で噴出した軽石質の火山礫凝灰岩(いわゆるグリーンタフ)です。軽石などが変質してできた「ミソ」と呼ばれる茶色の斑点状模様が特徴です。入口わきの展示室には、さまざまな大谷石、手掘りの道具や半纏、掘削機械などが展示されています。

「大谷景観公園」は、姿川によって浸食された大谷石の岩壁が連なる奇岩群からなり、「大谷奇岩群・御止山」として国の名勝地に指定されています。岩体に松樹が点在する姿から「陸の松島」とも呼ばれたこともある絶景が見られます。ここの芝生広場で昼食をとる予定です。

「平和観音」は大谷寺の向かいの採掘場跡にあります。下見の時は本格的な雨降となってしまいました。この観音像は、昭和23年から6年かけて大谷石採石場跡の凝灰岩層壁面に総手彫りで彫られた像高26.93m、胴回り20mの石造観音菩薩立像です。竣工は昭和29年、開眼は昭和31年5月4日。飛田朝次郎が製作しました。

「宇都宮市森林公園」ではまず自然休養村管理センターに立ち寄り、職員のお話を伺った後、赤川ダムでせき止められた小さな湖を周遊する遊歩道を巡りました。道路際の植物を歩きながら観察し、牧野会長らにより46科74種の植物が同定されました。都会周辺で見られなくなった『キキョウ』の花も見ることができました。本番の日時にもあの気高い姿を見たいものです。

9月11日(日)の総合観察会の日程など詳細がきまりましたら、このHPでお知らせしますので、少しお待ちください。中型バスを利用する予定です。