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2025年10月16日木曜日

総合観察会「秋の秩父ミューズパークを訪ねて」が行われました!

 10月5日(日)、総合観察会「秋の秩父ミューズパークを訪ねて」が行われました!当日は午後から降雨ありとの天気予報でしたが予定通り実施。日なたでは汗ばむほどでしたが、尾田蒔丘陵の散策路は日陰が多く心地よく歩くことができ、観察会日和となりました。当日は博物館の山岡学芸員の参加も得て総勢27人でした。
 9:15に西武秩父駅前のラクウショウの大木の下に集合。9:30発の東武バス(ほぼ貸し切り状態)で一気にミューズパークまで上がり、展望台入口で下車。ここでトイレ休憩を兼ねて、牧野会長の挨拶、担当者(今回は地質分野)および学芸員の紹介、コースの説明などがありました。
 車道をへだてた林の虫害について野澤会員から説明後、展望台へ。途中、散策路に露出している尾田蒔礫層とその上に重なる多摩ローム層相当層を観察。尾田蒔礫層は、約50万年前の荒川の河床に堆積した礫層で、多摩ローム層相当層の火山灰は、古い八ヶ岳や北アルプス方面から飛来したものだそうです。
 展望台へ登る階段で全員の記念撮影後、展望台から東方を俯瞰。低位段丘面上に広がる秩父市街地、何本かの黒い帯に見える段丘崖、羊山丘陵をつくる中位段丘、その背後に連なる山々を観察しました。本間副会長から、正丸峠付近を通る断層「刈米(かるごめ)─黒山線」を境に左側(北側)のなだらかな外秩父山地、右側(南側)の険しい奥秩父山地の地形の違いは地質の違いによるとの解説があり納得。
 ここからは気持ちの良い日陰の散策路を歩いて丘陵の植物や昆虫を観察しながら昼食場所の「水郷亭」へ。ここでは、萩原会員から自作の模型を使った植物の葉の付き方の説明がありました。説明に合わせて動かせる模型は秀逸のできで、アイデアものです!野澤会員からは、最近県内で急速に分布を拡大しているという外来種の「ハゴロモ」(カメムシ目昆虫)について説明がありました。中国山東省原産の「チュウゴクアミガサハゴロモ」の幼虫は体に白いロウ物質をつけ、ピョンと飛び跳ねるそうです。多くの参加者から、私も見たことがあるとの声が聞かれました。
 昼食後はゆるい坂を上り音楽寺へ。ここでは飯野(幹)会員から秩父事件にまつわる詳しい説明を聴きました。時には観察地の歴史などに関する情報も得られると観察会の深みが増すと感じました。ここから一気に荒川まで下って武之鼻橋を渡り、今度は対岸の低位段丘の登りです。一段一段確認しながら市街地を歩きました。今宮神社で休憩後、林家たい平さんのお宅のそばを通って札所13番慈眼寺で一次解散後、「だんご坂」経由で15:00頃西武秩父駅前で解散しました。
 アンケートの回答では、「総合観察会ならではの地質・植物・動物各分野の解説が聴け、音楽寺での講話も良かった。説明がていねいで、知らなかったこともわかって良かった。」などの感想が寄せられました。


2025年10月7日火曜日

植物観察会「初秋の武蔵丘陵森林公園を訪ねる」が行われました!

前日の雨がウソのように観察会当日9月14日は快晴となった。

公園周辺地域は約1500万年前~900万年前(新生代新第三紀中新世中期~後期)の堆積岩類が分布するところで、公園内の大部分は泥岩が占めている。地質学的にそんなところで、明治100年記念事業の一環としてつくられた国営公園である。

当日は木山学芸員の参加も得て総勢23人(女性12人・男性11人)だった。

集合場所の公園南口の10時過ぎあいさつの後、牧野会長から塀の石積みのところに生育する珍しい植物・絶滅危惧Ⅱ類ⅤUの『トキワトラノオ』(シダの仲間)の説明があった。これは当日配布の資料の表紙を大きく飾ったものである、写真資料10枚を含め下見時に見つけた植物は195種もあった。スズメウリはかわいい実をつけ、クサギは実を青く、アオハダの短枝についた実は赤くその色を濃くしていた。花を咲かせていたのはオミナエシ・ガガイモ・アレチヌスビトハギ・センニンソウなどで、何だこりゃというのはムサシアブミ(サトイモ科)であった、根元にしっかり実を付けており10余株も見ることができた。当然植物を見つけては牧野会長から説明がなされた。

園路脇にはアカマツ(マツノザイセンチュウ、マツノマダラカミキリ)コナラ(カシノナガキクイムシ)サクラ(クビアカツヤカミキリ)など、害虫にやられ枯死する木々もあった。日曜日なので舗装道路を避け主に林間の土の道を主にして観察した、クモの巣とのたたかいでもあった。

観察の終盤、展望広場3階建の建物屋上からは、富士山から両神山までの眺望を楽しむことができ、予定された15時前に参加者全員怪我もなく解散となった。参加された皆さんたいへんお疲れさまでした。ちなみに全歩行距離は6Km歩数は1万歩でした(飯野幹雄・記)