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2022年6月22日水曜日

     宿泊観察会への申し込み締切のお知らせ

 埼玉県立自然の博物館友の会会長 牧野 彰吾

7月24日(日)・25日(月)実施予定の令和4年度宿泊観察会「花の乗鞍・木曽駒千畳敷カール探訪」は、参加希望者が集まりましたので,募集を締め切らせていただきます。応募ありがとうございました。



2022年6月13日月曜日

 令和4年度宿泊観察会 「花の乗鞍・木曽駒千畳敷カール探訪」

 埼玉県立自然の博物館友の会会長

牧野 彰吾

コロナ流行のため、のびのびになっていた宿泊観察会実施のご案内です。山の花を観察したいと考えていても、行き方がわからないなどと諦めていませんか? 今回はバスで行ける乗鞍畳平とロープウェイで行く千畳敷カール方面です。3000m級の山々の雄大さを感じながら足元に咲く山の花々を観察しましょう。





2022年5月28日土曜日

霧幻の世界を味わう 「5月13日 新緑の玉原」 観察会報告

雨天決行と強がりを言いながら、植物部会・新緑の玉原を実施し、霧に包まれたブナ林の美しさに酔いしれた。すべてを覆いつくしブナの美しさを表出する霧の見事さに感嘆!!。

ところどころに残雪、5月13日とはいえ標高1200ⅿの玉原高原、咲いている花はオオカメノキとタムシバ(ニオイコブシ)、草本は湿原のミズバショウ、そしてアズマイチゲ、エンレイソウなどでまだまだここ玉原の春の訪れは遅い。

熊谷駅、森林公園駅に集った22人が今回の参加者。博物館の須田さんもこのメンバーの1人だ。ほぼ定刻に玉原に到着、身支度を整えて出発。一昨年の秋冬眠前につくられたミズナラの木にある“熊だな”が目に飛び込んでくる。熊だなから落ちている枝は大人の腕の太さほどもある。ツキノワグマの力に圧倒される。湿原の入口には「十二山宮」があり、3m弱の最大積雪時「鳥居が隠れる」ほどになるとのことだ。

湿原のそこここには、沢筋・水たまりがあり、クロサンショウオの卵塊を見ることができた。

バス内での事前学習をふくめ、30年間(10年ごとの調査結果)・植生図を見比べて、木道の取り外しや位置替え、人工排水路の堰の役割など水の動きや湿原の乾燥、それにともなう植生の変化などを学ぶ。ハイイヌツゲやヨシ・アブラガヤ刈り取りで、湿原の植生回復も見えることとなった。

登山道・利根の水源ルートはトチノキ・サワグルミの木立のたたずまいが美しい。水を好む木々たちの住み分けの姿だ。

ブナ平入口にたどり着いて昼食。しばし日本海側気候のもとで生育しているブナ林を楽しむ。ほぼ平坦になった登山道を歩く。森の更新3種(ギャップ更新、マウンド更新、倒木更新)や雪害・動物害、風・台風などの気象害などと、木々の葛藤の姿を追った。

戦前戦後の国策大伐採の跡地に、人為で壊した所は人為で回復の端緒をつくらねばと取り組んでいるグループの「植栽地」を見る。昨年のブナの豊作で異常繫殖したアカネズミ or ヒメネズミの食害が激しい。7m間隔に植えられ、5mにも育った植栽木がかじられて満身創痍だ。根から吸い上げた水は枝の先までいかない。多分この木は枯れてしまうのだろう。人為の努力の空しさと生き物の力強さを教えられる。

この植栽地にはキハダの木が多い。キハダの由来を知らない人がいるので、若干の樹皮をいただく。コルク層の下の黄色い部分(ここが樹木名の由来)を味わってもらう。『苦い』胃腸薬にも染め材にもなって、人が生きていくうえで大事なものだと知ることとなった。

タムシバ(ニオイコブシ)は美しい。早春にムシカリの花やムラサキヤシオに先立って咲き誇るブナ林の女王の風格をもっている。

ミズバショウを除いて、湿原の花たちには会えなかったが、早春・新緑のブナ林は、芽吹きのブナの森を霧につつみ、静謐で荘厳なすがたで我々を歓迎してくれた。        

                                     (飯野幹雄・記)

2022年5月10日火曜日

植物観察会「長瀞側風布のスプリングエフェメラルを訪ねる」報告

 去る327日(日)、長瀞駅から初めて船で対岸の白鳥島側へ渡った方をふくめ、28名の参加者でカタクリを中心に早春の植物たちを訪ねました。阿弥陀谷耕地付近から流下する「鶴沢」、その左岸の里山が今回のフィールドです。出発地点では1属1種の フサザクラ” が迎えてくれました。

 カタクリの生育地は

   北西に面する雑木林の林床

これは夏に日が当たらず涼しいため、カタクリの球根は呼吸を減らすことができ、球根の消耗を抑えられます。

   沖積堆積物あるいは段丘崖の下部といった地形条件

常に地下水で湿っているような場所を意味します。土壌に水分が豊富だと夏、気温が高くなったとき水分が蒸発して気化熱を奪い、地温が一定以上に上がらない(22℃以下)といわれています。

 上記のような条件を満たすカタクリの生育地が、今回の観察会で3か所見つかり、咲きはじめの状態ではありましたが、早春の訪れを参加者全員で味わうことができました。

 途中、解散地へ向かう鶴沢沿いには 菊水岩” とよばれる『横臥褶曲』(長瀞町指定天然記念物)があり、友の会・役員の小林健助さんに解説していただき、若干の地質・地形をふくめての観察会となりました。

 ちなみに下見は2回行い、1月にコース確認と標高差・距離を調べ、2回目は本番直前に参加者への「配布資料・集積」に重点を置いて実施しました。

 昨年12月に石畳の対岸で崩落した崖のため運航中止だった船も動き、心配された天候も順調、事故・怪我もなくほぼ予定の時刻に解散となりました。


2022年5月3日火曜日

友の会植物観察会「玉原高原」の募集締切と定期総会のお知らせ

参加申込者数がほぼ定員に達しましたので、募集を締め切らせていただきます。なお、5月15日(日)には長瀞の「岩畳自然観察会」を実施します(申込不要)。ふるってご参加くださるようご案内いたします。集合11:00(秩父鉄道長瀞駅)・解散13:30(自然の博物館)・弁当持参。下のスナップは一昨年の岩畳自然観察会の様子です。観察会終了後14:00~15:00に自然の博物館講堂で令和4年度友の会定期総会を行いますので、会員の出席をお願いいたします。


2022年4月3日日曜日

 友の会 植物観察会「新緑の玉原」( バス日帰り)のお知らせ

 新 緑 の 玉 原

─ 日 帰 り 観 察 会 ─

 今回の観察地は群馬県利根郡の沼田市北部に位置する『玉原高原(たんばらこうげん)』です。

 ここは200万年前、武尊山(ホタカサン・現在の標高2158m)の噴火・火山灰・再度にわたる溶岩流などの火山活動によって形成されました。太平洋側気候の迦葉山・赤城山のラインの北に位置する玉原高原は日本海型気候に支配され冬季1.5~2m余の積雪を見ることになります

この時期・雪融けの水たまりには、クロサンショウウオやモリアオガエルの卵塊が見られます、ムラサキヤシオ・タムシバなどの花たちが新緑に色を添えます、湿原とブナ平を訪ねます。

 なお、コロナ・オミクロンの感染状況によっては中止もあり得ますので、参加OKまたはNONの結果は、参加申し込み者へ1週間ほど前にその旨を連絡します。

 





2022年3月29日火曜日

♣友の会通信 03♣ 春の自然観察トレッキングのすすめ

秩父盆地の北側にそびえる破風山(標高626.5m)を訪ねてみませんか? 写真はちょうど1年前の2021年3月29日に山頂付近で撮影したものです。破風山は秩父帯北帯ジュラ紀付加コンプレックスのチャートなどからなり、山頂からは秩父盆地を一望のもとに見渡すことができます。荒川の支流赤平川が形成した低位段丘面上に広がる「秩父の米どころ」太田田んぼ(条里制遺構が発見されています)、その背後に数列にのびる尾田蒔丘陵(長尾根)などの高位から中位段丘群、秩父市街地とそれをとりまく武甲山をはじめとする奥秩父や外秩父の山々が眼下に広がっています。山頂付近にはこの時期、しばしばヒオドシチョウの乱舞がみられます。また、山頂付近の東尾根には、アセビ(馬酔木)の群落が可憐な白い花を咲かせ、登山者を楽しませてくれます。