友の会では、令和4年1月30日(日)、旧・川本町の荒川河床に露出する楊井層・土塩層の観察と化石採集を行いました。午前9時過ぎ頃から秩父鉄道「明戸駅」に参加者が集合。牧野会長をはじめ17人と自然の博物館の山岡学芸員が参加。寒風のなか明戸の堰堤そばの荒川の堤防まで歩く。先に現地で待機していた堅木会員が土塩層・楊井層から採集した化石を展示・解説。当日のガイドをおもに担当する本間副会長から土塩層・楊井層の説明のあと、堤防を降りて荒川左岸の河床へ。
楊井層からは、メタセコイアの球果と葉の化石、琥珀などが見つかりましたが、亜炭層から、圧縮され扁平となったオオミツバマツの球果の化石が見つかったのは収穫です! 層理面に垂直で根を張った最大径2mにも達する樹幹(株)は原地性で、層理面に平行につぶれて挟まっている材化石は異地性と判断されます。チャネル構造がみられる砂岩泥岩互層や横ずれ断層、陸上の堆積環境を示唆する火山豆石を含む凝灰岩層や軽石質凝灰岩層なども観察しました。
上流へ移動すると、水位が低下したため河床の土塩層の露出がよく、化石がいくつも見つかりました。イシカゲガイ・ダイオウシラトリ・ソデガイなどの二枚貝が多く、タマガイやバイガイの仲間と思われる巻貝の化石も見つかりました。とくにメジロザメの歯化石の発見は収穫でした! 当地は、海成層である土塩層が堆積する場から、次第に陸成層を主体とする楊井層が堆積する場へと変わっていく堆積環境の変化が観察できる興味深いフィールドです。参加者はそれぞれ満足して帰途につきました。
0 件のコメント:
コメントを投稿